230608_VOICE#81_3つの大切なこと

 
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主張

月刊消防 2022/10, p62

月刊消防「VOICE」


・名前

蒲生 寿之

・よみがな

がもう としゆき


・所属

東近江行政組合 愛知消防署


・階級

消防司令

・出身地

滋賀県近江八幡市


・消防士拝命年
平成9年4月1日

・趣味

野球観戦

3つの大事なこと


25年前、消防職員として採用され消防署に配属数日後に経験した建物火災。ポンプ隊員として出場した私は、ホースカーでポンプ車からタンク車へ中継ホースの延長をしましたが、気持ちは舞い上がり、大声で確認呼称の声を張り上げるのが精一杯で、視野も狭く安全管理に対する意識も低い中、鎮火まで火災現場を走り回ったことを思い出します。

十数年後、防災航空隊員として出場した山岳救助。積み重ねた訓練に裏打ちされた活動要領、パターン化されたボイスプロシージャー(運航中の消防防災ヘリコプターにおいて実施する航空消防活動従事者による周囲の監視及び機長の注意を喚起するための声掛け)により、どんな状況であっても「言葉の掛け合い」、「活動」が冷静沈着に淡々と進むヘリコプターでの救助活動。それは採用後すぐに経験した建物火災での消火活動とは全く違う雰囲気で展開されるものでした。消火活動とヘリコプターによる救助活動は別物かもしれませんが、安全な活動を実施する上でのヒントが防災航空隊での活動にあるように思います。

それらの経験をもとに、私が大事であると思うことは3つあります。
(1)訓練を積み重ね自隊の活動に自信を持つこと←これ大事。たくさん訓練をしましょう!
(2)日々のコミュニケーションを密にし、チームワークを深めること←災害現場での意思疎通につながります!
(3)大きな声での指示、確認呼称は必要であるが、心は落ち着いた状態を維持するよう心掛けること←落ち着いて冷静に状況判断出来るよう日々意識、トレーニング!
積み重ねた訓練とチームワークにより自隊の活動に自信が生まれ、冷静沈着な精神状態で状況判断が出来ること。これが防災航空隊で経験した災害現場で安全な活動を実施する上で大事なことです。

昨今、災害現場で活動する職員の若年化、炎上火災の減少による経験不足等、現場活動能力の低下が危惧されていますが、私は決してそんなことはないと思います。状況を冷静に分析し、対応すべき事をしっかり処理していく。こうしたことは今の中堅若手職員にとって得意なことではないでしょうか。ただし、災害現場において大きな声で指示を出すこと、大きな声で返事をすること。士気旺盛な活動をすること。これも災害現場で安全な活動をする上でとても大事なことといえます。士気旺盛+冷静沈着な心、これにより安全な活動を作り上げましょう。

防災航空隊での活動経験をもとに、災害現場で自身の心をコントロールし、冷静沈着に、より安全な活動を行うことの大切さをお伝えさせていただきました。皆様方の安全な現場活動に少しでも参考にしていただければ幸いです。

主張
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