月刊消防 2023/02/01, p81
月刊消防「VOICE」
イチロー選手の言葉
世の中には数多くの名言や格言があり、仕事や私生活において私たちは勇気付けられることや力になること、何か失敗などをした際に立ち直る力になったりすること、「なるほどっ!」と感心させられることがあります。
私は子供の頃から野球が大好きで、好きな名言の中に、イチロー選手の「何事も準備が大切」、「一点ではなく全体を見る。一点だけを見ていると緊張してしまう」、「意識するだけで変わる。何日かで出来ることではないが考えなければ永遠に出来ない」という言葉があります。
私が救急救命士を目指したのは、救急隊員の時に上司の救急救命士の方々に親切丁寧に指導して頂き、その方々と一緒に現場に行くたびにわからないことがあれば指導や訓練を受けたとこで、私もそのような救急救命士になりたいと思ったのがきっかけでした。
救急救命士になることが希望であった私は、平成29年(一財)救急振興財団救命救急九州研修所へ救急救命士研修課程に派遣して頂きました。研修中は知識と技術を自分のものにして現場で活かせるようにしたいと思い訓練等を行っていましたが、うまくいかず何度も躓いた事がありました。私は緊張する場面に遭遇すると雰囲気に飲まれ、一つの事に集中し過ぎる傾向があります。そのような時は冒頭で述べたイチロー選手の言葉を思い出し、「何事にも常に日頃から準備」し「いつも広い視野で、その事象全体見る」ことで今の弱い自分を変えることが出来ると言い聞かせ、座学や実技、班での夜間訓練を半年間こなしました。
所属へ戻り現場で隊長をする機会も増えてきましたが、現場では思うような活動が出来ずに悩む事もあり、その度、何をするにしても一つ一つ「意識し続けながら考え」自分の考えだけに固執するのではなく他の人の意見等も取り入れるように心がけています。そして、自身の経験を周りに共有をして、周りの方々の経験も共有することにより自身の成長に繋がると思い日々の業務に取組んでいます。
消防という業務は組織が行うものです。一人の力ではなく、個の力と組織の力の相乗効果が大きな力を生み市民の皆様に満足して頂けるサービスの提供が行えるものであると思います。そのために、一人一人が常に準備をし、組織を常に良いものにするために今自身が何をしなければならないのか、自身の役割は何なのか、何をすれば良いのかを考えること大切です。
名言や格言は、時に自身を奮起させたり自身と接する人々を勇気付けたりします。みなさんは、そのような名言や格言をいくつ持っているでしょうか。私は名言や格言に出会うと手帳にメモをするようにしています。今後もそのような言葉を大切にして、消防職員として、救急救命士としてさらなる知識・技術の向上を目指し、そして市民の皆様の安全安心を守れる様にこれからも精進していきたいと思っています。
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