月刊消防 2026/02/01, 48(02)通巻560、p57
月刊消防「VOICE」
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「人を助けるのは、チームであり人である」
大津市消防局 中村祐太
「人を助けたい」と思うきっかけは、人によって様々である。困っている人や苦しんでいる人を目の前にした時だけではなく、人との関わりの中で他者貢献したいと感じる時など数え切れない。私は、新しい命の誕生に立ち会う喜びや命の終わりに立ち会う辛さを経験することで、その思いが高まるように思う。しかしながら、「人を助ける」ということは、複雑で時に重たく、難しいということを強く感じる。
「人を助ける」という行為は多岐にわたる。困っている人に声をかけて話を聞くことや、荷物の運搬を手伝うことも「人を助ける」ことの一部分である。我々、消防職員が災害現場でできる「人を助ける」ということは、命を助けることは言うまでもなく、身近にできる行為の他、精神的な支えになるということではないだろうか。災害現場では、常に助けを求めている人がいる。
命を助けることと精神的な支えになるために、個人が専門的な知識と技術を習得することは勿論、相手の視点から物事を見ることやその人の感情に寄り添うことは非常に重要である。
災害現場では、一人で対応できない状況が多く、チームでの活動、メンバーが互いに信頼し合うことが必要不可欠だ。
すなわち人を助けるのはチームである。チームワークで大切なことは、目標やビジョンの共有、円滑なコミュニケーション、明確な役割分担と責任、相互理解と尊重など広範にわたるが、私が思うチームワークで大切なことは、相互に感謝と尊敬の気持ちを忘れないこと、「ありがとう」「ごめんなさい」と言える素直な心を持つことであると考える。
チームは個人の集まりである。個々の能力、経験が組み合わさって機能する。誰かひとりでも欠けてはチームとして成り立たない。チームのメンバーがお互いを理解し、尊重する姿勢を持つことで、信頼関係が生まれる。困難に立ち向かう時、近くにいるのはチームであり、人である。人を助けるという行為も誰かに助けられるという行為も、すべて人と人との繋がりの中にある。小さな親切が誰かの一日を明るくし、未来を変えることもある。相手の笑顔や感謝の言葉が自分の喜びにもつながる。だからこそ、私たちは日々、助け合いの心を忘れずに歩んでいく必要があるのだと思う。
人として、思いやりがあり、親切で気遣いと配慮ができ、相手の成長を願い、時には厳しい選択や注意ができる本当の優しさを持てる人でありたい。そして「人を助ける」という気持ちを常に心に留めておきたい。
(名前)
中村 祐太
(よみがな)
なかむら ゆうた
(所属)
大津市消防局南消防署消防第二課
(出身地)
滋賀県高島市
(消防士拝命年)
平成31年4月
(救命士合格年)
平成31年4月
(趣味)
旅行
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